鬼滅の刃は老若男女問わず人気の作品。
絵も可愛いし、ストーリーも面白いし、中弛みもないし最高!なんですが…
炭治郎の心の声がが多すぎると思いませんか?
私自身、連載当初は、説明も多いしセリフが多いことに違和感を抱いていました。
今でこそ慣れてきたけど…
そこでこの記事では、なぜ心の声や説明が多いのかを考察しました。
目次
鬼滅の刃は心の声が多い?
鬼滅の刃は心の声が多いと感じます。
鬼滅の刃で心の声が多いキャラクター
1番心の声が多いのはやっぱり炭治郎です。
「痛い」とか「動けない」とか見てわかることでも心の声があります。
あとは、「お兄ちゃんなんだから」とか謎な心の声も多いです(笑)
「考えろ」って連呼する時と「考えるな」って連呼するときがあったり結構感情はごちゃごちゃしてます。
言わなくてもわかることやごちゃついた心の声が多いから違和感を抱くファンも多いんですね。
他に、意外と心の声が多いのは鬼!
鬼にも人間味を出すためなのか、能力を説明するためなのか…
戦闘シーンはもちろんですが、鬼の過去回想では心の声として説明したりするので多くなっています。
鬼の心の声に関しては、「鬼にも感情がある」というのを表現するためには必要だと感じました。
鬼滅の刃で心の声が多いシーン
鬼滅の刃で心の声が圧倒的に多いのは戦闘シーンです。
心の声で能力や策を説明していることが多いです。
戦闘シーンとはまた違いますが、1番初めに禰󠄀豆子が鬼化した時もひたすら心の声でした。
禰󠄀豆子が生まれた時は人間だったことや、家族への懺悔など延々と心の声が続きます。
禰󠄀豆子に襲われている間もずっと心の声なんです。
富岡義勇が登場した時は、炭治郎の行動を富岡の心の声で解説しています。
セリフのない時間がものすごくちょっと。
序盤だから私も慣れていなかったので、余計に違和感を抱いたのかもしれません。
絵だけで伝えるのは難しい内容もありますが、見てわかることでも心の声があったりしますよね。
禰󠄀豆子はセリフないのに、他のキャラはものすごくおしゃべりです(笑)
鬼滅の刃でセリフが多すぎる理由は?
鬼滅の刃で心の声が多い理由は明言されていませんが、作者の癖と意図だと考えられます。
吾峠先生のジャンプに掲載された作品は、鬼滅の刃を除いて4つで、心の声や説明の量は様々でした。
心の声や説明の量 | |
---|---|
1作目 | 少ない |
2作目 | 多い |
3作目 | 少ない |
4作目 | 多い |
集英社に投稿した1作目は心の声が少なく、わかりにくいし万人受けしないという評価でした。
鬼滅の刃に似た内容なのですが、真逆の評価ですね!
1作目の要素を取り入れながら4作目を描き、4作目を万人受けするように工夫したのが『鬼滅の刃』です。
心の声がある方がわかりやすいし万人受けするという意図があり、実際に大ヒット漫画になりました。
吾峠先生はセリフでキャタクターの個性を出すのが上手なので、いいところを伸ばすためにセリフを増やしたのかもしれません。
鬼滅の刃は、セリフの文面だけでも「このセリフはあのキャラが言ってそう!」とわかることが多いんです。
シルエットだけでキャラクターを特定できる漫画は多いけど、セリフだけでキャラクターを特定できる漫画ってすごい!
セリフでキャラ付けできるなんて、文才があるからこそできる技です。
鬼滅の刃は説明しすぎで演出がくどい?
鬼滅の刃は心の声だけでなく、説明が多いと感じます。
絵を見たら分かる状況を近くにいるキャラが説明していることがよくあります。
説明しすぎの理由は、小・中・高生の誰が見てもわかる漫画を意識されていたので説明文を増やしたからだと思われます。
確かに大人が見たらるけど、小学生が見たらわからない状況はありますよね。
ただ、ハンターハンターに比べたら説明はめちゃくちゃ少ない方です!
見開きのほとんどが文字や漫画内ゲームの説明書になってたりします…
漫画のテイストやターゲットにする読者に合わせて、説明と絵のバランスを考えられていると感じました!
鬼滅の刃で説明しすぎのメリット
鬼滅の刃で説明を多く入れているメリットは3つ考えられます。
メリット
- 吾峠先生の文才を活かすため
- 誰にでもわかりやすい
- 作者の意図や解釈通りになる
吾峠先生の文才を活かすため
吾峠先生は昔から絵が下手だったとご自身で仰られていました。
素人の私からしたらめちゃくちゃ上手だし、こんな可愛いキャラでストーリーも読み応えある漫画ってすごい!と思っていたのですが…
上には上がいるので絵に自信がある方ではないみたいです。
その分、セリフや言葉のセンスが抜群!
ガンダムシリーズなど多数のアニメーション監督をされている富野さんが「文学者に近い」と評価するほど。
言葉のセンスがずば抜けていたからこそ、絵だけでなく文字にも力を入れられたのだと感じました。
誰にでもわかりやすい
説明をたくさん入れることで、子どもが見ても内容を理解できるようになっています。
鬼滅の刃は幼稚園児にも人気ですよね!
家事をしながら見ているときも、音声だけで内容を理解しやすいので助かります。
漫画やアニメに慣れていない人でも楽しめる作品でした。
老若男女が理解できて楽しめる作品にしたことで、社会現象にまでなりましたね!
作者の意図や解釈通りになる
1から10まで説明しているので、作者の意図とは違う解釈をせずに済みます。
今キャラクターはどう思っているのか、どういう作戦で戦っているのか…
文章で細部まで書くことで作者の設定を読者にも共有することができます。
「本当は倒したくないけど倒さないといけない理由があるから倒している」という炭治郎の優しさを子どもも汲み取れるようになっています。
鬼滅の刃で説明しすぎのデメリット
鬼滅の刃で説明を多く入れているデメリットは3つ考えられます。
デメリット
- 読者による捉え方が偏る
- 絵ではなく文字を見てしまう
- 海外での評価が低い
読者による捉え方が偏る
作者の意図や解釈通りになるというメリットは、読者による捉え方が偏るというデメリットでもあります。
「あれってこういう意味なのかな?」といった考察で盛り上がることは減ってしまいます。
漫画は作者の意図が正解ですが、いろんな意図を勝手に考えてあれこれ話すのが楽しいですよね。
絵ではなく文字を見てしまう
漫画やアニメは絵を楽しむものですが、文字を読んでるだけで絵をほとんど見ていないページもあります。
名探偵コナンとかも小説読んでる感覚になるくらい文字が多い回とかあるんですが、漫画の良さである絵を見ないのはもったいないですよね。
細部まで見るように意識していますが、文章だけで理解できてしまうので細部は見ずに次のページにいってしまうこともよくあります…
続きが気になるから読み進めたくなっちゃいますよね。
海外での評価が低い
映像作品は映像で表現すべきだという評価を米アカデミー賞でされてしまいました。
私は、セリフや音楽などでより良くなってるのならいいじゃん!と思ってしまいましたが(笑)
海外だと吾峠先生の言い回しが翻訳されちゃって最高の状態で見てもらうことができないので仕方ないですね。
まとめ
鬼滅の刃の心の声や説明が多いことについて
- 万人受けするために多くしている
- 漫画のテイストに合ったバランスになっている
- メリットもデメリットも3つずつある
だとわかりました。
良い点も悪い点もありますが、結果大ヒットしていますよね。
やはり老若男女が理解できる作りになっているのだと感じました。
改めて吾峠先生の才能の素晴らしさを実感しました。
次回作はどんな方向性で来るのか楽しみです。