週間少年マガジンにて連載されており、2014年に完結した『聲の形』。
2016年には京都アニメーションによって映画化されました。
耳が聞こえない女の子と、その子をいじめていた男の子の青春ストリートなのですが「いじめを美化してる」という意見もあります。
この記事では、いじめを美化してると言われる理由を考察しました。
以下はネタバレ含みます。
目次
【聲の形】いじめを美化してる?
聲の形はいじめを美化しているという意見が多くあります。
美化していると言われる理由は以下の3つが大きいと感じました。
- 主人公がいじめていた側の人間
- いじめは簡単に許せるものじゃない
- いじめていた人への罰が少ない
- 映画のBGMが気になる
主人公がいじめていた側の人間
そもそも主人公の石田がいじめをしていた側の人間なんですよね。
後々自分もいじめられますし、ずっといじめていたことを後悔し続けていますが…
石田目線で描かれるので、いじめられる描写はリアルだけどいじめられた時の気持ちや辛さはそこまで描かれていません。
いじめは簡単に許せるものじゃない
石田が飛び降りを思いとどまった後、西宮に謝りに行きます。
西宮は久しぶりに石田に会って、許すどころか友達になろうと言われたことに涙を流して喜びます。
この流れが、いじめは謝ったからといって許せるようなことではないので美化していると言われました。
謝って許せることではないし、許す必要もないですよね…
ここで西宮が許した理由は、いじめられていた側なのにずっと加害者意識があったからです。
いじめられていたことは自分が悪いと思ってしまってるんです…
だから「ごめんなさい」ばかりだし、飛び降りに至ってしまったんですね。
いじめていた人への罰が少ない
主人公の石田はいじめられるだけでなく、人とのコミュニケーションが苦手になって深く悩みます。
しかし、島田や植野など積極的にいじめに加担していた人への罰があまり描かれていません。
島田なんて石田のことをいじめた主犯格です!
植野は罰がないどころか一緒に文化祭にまで来ていました!
原作ではそれぞれにフォーカスした回想シーンなど描かれますが、映画の2時間ではいじめっ子たちの真意がわからず終わってしまいました。
映画のBGMが気になる
映画では、いじめられるシーンが軽快なBGMの中で描かれていたので、いじめの重さがわかりにくかったです。
リアルで生々しいからこそ音楽で緩和させたのか、いじめる側の視点で描くために軽快にしたのか…
意図はあるのだろうと感じますが、佐原や西宮の精神状態とは真逆の音楽でした。
【聲の形】意味がわからないし嫌いと言われる理由
意味がわからないと言われる理由は西宮が石田に告白するシーンです。
自分のことをいじめていた男を好きになることなんてあり得るのか?と言われました。
いじめを許すどころか好きになるなんて、なさすぎるでしょ…
根本的に西宮は、石田にいじめられていたという思いがありませんでした。
クラスに迷惑をかけた自分が悪いと思ってしまっているんですよね…
西宮からすると、みんなに迷惑をかけたのに数年後に手話まで覚えて再会しにきてくれた石田なんです!
西宮の認識がどうあれ、視聴者からするといじめをしていた男を好きになったり、いじめに加担していた人と遊園地に行ったりすることは意味がわからないという意見を生みました。
いじめられた経験があると、西宮視点ではなく自分視点で見てしまうので様々な解釈になりますよね。
【聲の形】面白いという意見もある
- 原作が好き
- アニメーションが綺麗
- 声優さんの演技がすごい
聲の形は賛否両論あり、面白いという意見もたくさんあります。
映画派の人が疑問に思う部分を原作で解消してくれているので、原作ファンの評価は高いです。
また、映画はアニメーションが綺麗のでビジュアル面で好きなキャラがいたり、聖地巡礼するファンも多くいました。
リアルな世界を美しく描いているので見に行きたくなりますよね。
映画では耳が聞こえない女の子の役を早見沙織さんがされており、演技が上手だと話題になりました。
主演の入野自由さんの演技力も素晴らしくて石田の感情にのめり込んじゃった!
まとめ
いじめを美化してる理由
- 主人公がいじめていた側の人間
- いじめは簡単に許せるものじゃない
- いじめていた人への罰が少ない
- 映画のBGMが気になる
- 西宮が石田を好きになる
面白い意見
- 原作が好き
- アニメーションが綺麗
- 声優さんの演技がすごい
映画では「いじめられていたのに許した」という事実だけを見てしまいますが、西宮の認識や石田以外の加害者の思いが交差しているので一概に美化しているとは言えないと感じました。
しかし、視聴者の過去の経験によっては「美化している」と捉える人も多いのは仕方ないと感じました。
偏った意見しかない映画より、賛否両論ある映画の方が私は好きなので、いろんな人の感想を見ることを含めて楽しめました!