清野菜名さんと松坂桃李さんが演じられる、耳をすませばの実写化。
あの不朽の名作を実写化なんて大丈夫?
ジブリ版と実写版の違いってどこだろう?
ジブリファンからすると、設定を変えているところがあるのか気になるところです。
「あのシーンは再現してほしい」や「あの設定は変えないでほしい」などいろんな思いがありますよね。
そこでこの記事では、ジブリ版と実写版で設定変更されている箇所をまとめました。
なぜ設定を変えなければならなかったのかや、設定変更がいい方に転んだか悪い方に転んだかなどの感想もお伝えします。
目次
耳をすませば実写の設定変更一覧
耳をすませばのジブリ版と実写版で、私が重要だと思った設定変更は以下の5つです。
内容 | ジブリ | 実写 |
---|---|---|
テーマソング | カントリー・ロード | 翼をください |
天沢聖司の夢 | バイオリン職人 | チェリスト |
主人公の年齢 | 中学3年生 | 大人(26歳) |
海外留学を打ち明ける場所 | 屋上 | 雨の日の図書館 |
耳をすませばというセリフ | ない | ある(耳をすます) |
雫の部屋のベットの配置とか、図書館にお弁当届けるときのズボンの色とかも違ったけど、細かい点は省いています!
書き並べてみると大きな変更が結構ありますよね。
中でもテーマソングと聖司の夢が違うところは、ジブリファンからすると驚きポイントだったのではないでしょうか。
聖司がチェロ弾いてるって結構な衝撃!
主人公の年齢が違うのは納得できるところで、中学時代を実写化してたらダメな方に転んでただろうと感じます。
いくつかある設定変更ですが、それぞれなぜ変更されたのかをお伝えしていきますね!
耳をすませば実写の設定変更①なぜ翼をください?
実写プロデューサーによると、「カントリー・ロード」はジブリのオリジナルストーリーだからこその楽曲だとのこと。
ジブリとはストーリーが違うのだから使えないと監督と判断されたそうです。
実写版では、雫と聖司が自然と好きになれる合唱コンクールの曲で、歌詞がピッタリな「翼をください」に決まったと仰っています。
確かに「カントリー・ロード」は雫が翻訳したり、聖司が茶化したりするシーンがあるからこそマッチしていますよね。
雫のふるさとである都会の風景を映しながらカントリー・ロードが流れたり、その都会のふるさとをもじってコンクリート・ロードと替え歌にしたり…
耳をすませばのカントリー・ロードは、聖司のコンクリート・ロードありきですよね(笑)
理由を聞いて納得はしたんですが、個人的にはカントリー・ロードを使ってほしかったなという気持ちもあります。
ただ、翼をくださいは実写耳をすませばのストーリーや2人の思いとマッチしていました!
翼をくださいは教科書にも載っていたから、合唱コンクールで歌う曲としてしっくりくるし親近感は沸きますよね。
耳をすませば実写の設定変更②なぜチェロ?
聖司の夢がジブリと実写で大きく違います。
ジブリ版だとバイオリン職人、実写版だとチェリストでした。
ちなみに原作は画家が夢!
同じ音楽関係ならバイオリンでもよかったんじゃない?と思ったのですが、実写版を見てチェロになったと思われる理由が3つありました。
チェロの理由
- チェロは伴奏も旋律も映えるから
- 松坂桃李さんとバイオリンは「マエストロ!」のイメージが強いから
- 職人ではなく演奏者の方が都合がいいから
- 楽器の難易度を下げるため
チェロは伴奏も旋律も映えるから
実写でチェリストである1番の理由は、チェロは伴奏も旋律も映えるからだと感じました。
バイオリンはメロディを弾く事が多い高音の楽器なので、雫の歌に合わせて弾くときに音域が重なってしまいます。
ピアノの伴奏でバイオリンがメロディとかのイメージがありますよね。
ジブリでは伴奏を地球屋のおじいさんたちが担っていました。
実写では雫と聖司の2人で合わせるのでチェロと女性ボーカルという最高の組み合わせを作るためだったんだと感じました。
また、ラストではチェロがメロディを奏でるのですが、低音のメロディがかっこよかったです。
コントラバスが伴奏してたのでバランスも完璧で素敵なシーンになっていました。
中低音のチェロはいろんな場面で映えていたので、翼をくださいの演奏シーンはどれもチェロにしてよかったところだなと感じました。
松坂桃李さんとバイオリンは「マエストロ!」のイメージが強いから
以前、松坂桃李さんは「マエストロ!」でバイオリニストの役をされていました。
「マエストロ!」も超話題作なので、映画を見ていない私でも、CMやポスターで見たバイオリンを演奏している松坂桃李さんがとても印象的です。
耳をすませばの実写で松坂桃李さんがバイオリンを弾いていたら、マエストロ!の香坂がちらついてしまいます。
ビジュアル公開されたら「マエストロ!思い出す~」って絶対にXでポストされるやつですよね。
職人ではなく演奏者の方が都合がいいから
職人ではなく演奏者の方が都合がいい理由は2つあります。
都合がいい理由の1つ目は、雫と歌の掛け合いの流れを作りやすいからです。
もちろん、職人でも聖司はバイオリンを弾けるので問題ないのですが、今でも現役で演奏しているほうが歌の流れは自然に作れますよね。
都合がいい理由の2つ目は、1人作業のイメージが強い職人より、他者と関わるイメージの演奏者の方が恋敵を作りやすいからです。
職人の場合でも作業場の女性や仲間を恋敵にできますが、同じ楽団の仲間とかの方が恋敵として密な関係をイメージしやすいですよね。
チェロを演奏する松坂桃李さんも最高ですが、黙々とバイオリンを掘る松坂桃李さんも見たかったなぁ~
楽器の難易度を下げるため
持ち方なども含めて、一般的にはチェロの方がバイオリンより習得しやすいです。
バイオリンは肩に乗せて顔で挟んでるけど、チェロは床に置いていますよね。
ただ、松坂桃李さんはバイオリンの経験があるため、チェロより習得しやすかったんじゃないかな?と思います。
松坂桃李さんも「バイオリンやらせてくれよ」と思ったと仰っていました。
文句を言いながらも、猛特訓されたそうで、松坂桃李さんのチェロはめちゃくちゃかっこよかったです。
耳をすませば実写の設定変更③なぜ10年後?
耳をすませばの実写化は、原作の続きのお話のため主人公の10年後が描かれています。
中学時代の耳をすませばを実写化するとなると、どうしてもジブリの印象が強くて「イメージと違う」という声が上がりそうですよね。
実写は全く新しいストーリーになっているので、ジブリを見ていない人も楽しめます。
そもそも実写の耳をすませばって、ジブリと関係ないので設定変更の許可取りも原作者の柊先生にしています。
原作は柊先生の漫画で、ジブリはジブリのオリジナルストーリー、実写は実写のオリジナルストーリーです。
耳をすませば実写の設定変更④屋上シーンが違う理由
屋上シーンの会話内容が違う理由は、過去と現在を行ったり来たりするので、ストーリー的に海外を告げられない場面だったからだと思います。
耳をすませばの実写では、屋上で雫を心配して声をかけてくれるシーンです。
それだけなんだぁと思うような他愛無いシーンでした。
クラスメイトがダダァ〜っと雪崩れになるところは再現されていました!
ジブリの屋上シーンでは聖司が雫に海外留学を告げています。
合わせて、告白なのか?と思わせるようなセリフも言っているんです。
ジブリは屋上シーンまでに結構お話が進んでますよね。
屋上シーンの変更は、個人的に良かった設定変更だったなって思いました。
理由は、雨の日の図書館で海外留学を告げることで、2人の初々しい相合傘のシーンが見られたからです。
ほんのわずかなシーンですが、暗い図書館からの相合傘は見どころでした。
耳をすませば実写の設定変更⑤タイトルのセリフ
原作では「耳をすませば」というタイトルをセリフでも言ってるのですが、ジブリ版だと「耳をすませば」というセリフがありませんでした。
ジブリだけ見てたら、どうして「耳をすませば」というタイトルなのかはわかりにくい!
実写耳をすませばでは「耳をすます」というのをポイントにしているシーンがいくつかあります。
この違いも私的にはよかった変更点でした。
物理的な音を消すんじゃなくて、ふっと耳をすませば違う見え方があると思うんです。
「耳をすませば」をポイントにすることで、現代のガチャガチャした空間に慣れている大人には響くストーリーになっていました。
まとめ
耳をすませばの実写とジブリの設定変更は全部で5つあり、
- ジブリとストーリーが違うのでカントリー・ロードを使わなかった
- バイオリン職人ではなくチェリストの理由は5つある
- ジブリで中学時代を描いているので、新しい耳をすませばを楽しめるように続きの10年後を描いてる
- ストーリーの構成上、聖司の留学を伝えるシーンが違った
- ジブリ版は「耳をすませば」と言わないけど実写では「耳をすませば」をポイントにしているシーンが複数あった
とわかりました。
実写化は設定変更のバランスが重要だと思うのですが、そのまま使うところとオリジナルにするところを考えるのが難しい作品だなと思いました。
設定変更をすることで、違和感はあるものの新しい耳をすませばを見られたと感じます。
ジブリのイメージ通りの作品を期待するならつまらないと思うので、全く関係のないオリジナルストーリーを楽しむという気持ちで観ることをおすすめします。